ムクゲ

ムクゲはアオイ科でハイビスカス、フヨウ(芙蓉)と同じ仲間です。耐寒耐暑性がある大型の落葉広葉樹で以前は公園や緑道に良く植えられ、暑い夏の日差しの中で白、ピンク青紫の花を多数咲かせていました。最近は樹が枯れても更新されなくないのであまり見かけません。写真は志賀日赤の近くに群生しているものです。槿花一日の栄と言われていますが、数日は保つようです。中国が原産地で、日本では平安時代の記録があります。隣の韓国では無窮花と呼び、国花とされていますが、自生はしていません。それはそれで良いかも知れません。(K)                             2023-8-31

 

 

2022年4月 (K)

 

2022年3月

 

ビワ

2020年はCovid-19のため何も良いことがなかった1年でした。平穏な日々のありがたさがしみじみと思い起こされます。今年は良いことがありますように。

緑道や庭先に白い小さな花が1月の寒い時期に咲いているのを見かけます。地味なので気が付かない方も多いでしょう。これでもバラ科ビワ属です。昆虫を見かけない寒い時期にどうやって受粉がおこなわれるのか気になっています。

 

ビワは梅雨の時期に黄色い実がなる果樹です。果実は痛みやすいので丁寧に箱詰めされて、宮崎のマンゴーほどではありませんが高級果実として店先に並びます。果肉は花托が肥大したもので、その薄皮を指先でそっと剥いで口に含むと仄かに甘い香りが口に広がります。中に赤褐色の堅い大きな種子が入っていて丸ごとは食べられません。種子にはウメの未熟な実と同じく青酸化合物(アミグダリン)が含まれているので、その粉末を体に良いからと大量に口にすると危険です(ガンに効果がある成分は否定されています)。葉はビワ茶として利用(湿疹やアトピーの予防)されますが、ほどほどに願います。(K

                                    2021年1月

 

 

ヒメツルソバ

 

住宅地の石垣や溝にいつの間にか増えてきたヒマラヤ原産のタデ科イヌタデ属の帰化植物。小さな花が球形に集まり、金平糖のような形(直径1cm程)となり、真夏を除き初夏から霜が降りるまで次から次と咲き続ける。咲き始めはピンク色をしているが段々と色が抜けて白へ変化する、ピンクと白が咲き混じった様子はなかなかかわいい。葉に黒いV字状の斑紋がり、紅葉する。以外と寒さ(凍結)に弱いが、種子からよく発芽するために同じ場所にいつでも見かける。匍匐性の茎を伸ばし、ドンドン雑草化している。名前が似ているツルソバは近縁種でヒマラヤ原産の帰化植物。蕎麦の花に似た白花を咲かせ、ソバの種子と同じく黒色の角が3つある果実を付けるのでソバの名がついた。温暖な海岸近くに生育。イヌタデは秋に赤く咲くので“赤まんま”として幼児のママゴトのご飯として使われる。(K

                       2020年11月

 

 

キンモクセイ

この辺りでは今ちょうど満開のキンモクセイは漢字で書くと金木犀。モクセイ科の常緑広葉樹で夏に今年伸びた枝に花芽を形成する。昼夜の気温が20度近くなるとオレンジ色の花が咲き始める。彼岸花よりも少し開花時期が遅い。この時期は夕暮れ時に路を歩くと遠くからでも仄かに甘い香りを漂わせ、秋の訪れを感じさせる。花の近くでは香りが強く、クチナシやジンチョウゲと同じくトイレの香水(芳香剤)のようだと好まない人もいる

化合物。中国原産で日本には花付きの良い雄株しか

導入されていないため実を付けない。そのため挿し木で増やすのでソメイヨシノと同じくクローン株。新緑の時期に葉を食害するヘリグロテントウノミハムシ・マエアカスカシノメイガにやられると新芽が伸びず枝先が枯死し、花付きが悪くなる。排ガスなど大気汚染に敏感なため、1970年代(昭和)にはキンモクセイが咲かないと新聞紙上で話題となった。今は昔の話。(K

                          2020年10月

ヒメヒオウギズイセン

漢字で書くと姫檜扇水仙((アヤメ科ヒオウギズイセン属)、古くから栽培されているアヤメ科の植物で、梅雨の蒸し暑い6月下旬から7月にかけて、直径3cm程度の色鮮やかな橙朱色の花を、穂状に咲かせる。見る人によっては暑苦しさと一体になっているかもしれない。葉がヒオウギに、花が(水仙)ににており(?)小型なので名付けられたらしい。南アフリカ原産の帰化植物で、観賞用に持ち込まれた。耐寒性をもち、繁殖力が旺盛なため、一度球根を植えておくといつの間にか庭中にはびこる。抜きやすいため、オキザリスのように目の敵にするほどの厄介者ではない。なお佐賀県では栽培禁止になっている。

似たような名前に、ヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲;アヤメ科アヤメ属、北海道東部の霧多布湿原が有名)や、ヒオウギ(檜扇;アヤメ属)、ヒオウギズイセン、ヒメヒオウギがあり、しばしば混同される。K

                               2020年7月